裁判所書記官についてAbout Court Clerk
裁判所書記官というのはどういう仕事をするのですか?
裁判所は裁判をするところです。裁判をするのは裁判官です。しかし、裁判所で働いているのは裁判官だけではありません。裁判所には裁判官のほかに裁判所職員が働いています。その職員のなかで裁判所書記官という職種があります。
その裁判所書記官の仕事は、書記官というぐらいですから、法廷というところで裁判であったことを書記する(記録する)こともしていますが、それだけではありません。裁判を行う前の準備のため、提出された書類を審査したり、当事者の方に裁判所に来てもらうための呼出状を送ることなどの事務のほか、裁判官に頼まれた調査をしたりすることもあります。
もし、あなたが、裁判や調停のことで裁判所に相談に行ったとしたら、まず最初に窓口で話をうかがうのは、裁判所書記官になります。それはお金のトラブルの民事の窓口でも夫婦の問題の家事のことでも書記官が窓口で話をうかがうことになります。つまり、当事者と直接接するのは裁判所書記官の方が多いのです。
裁判の手続き全体をいわばコーディネートしているのが裁判所書記官ですから、裁判所の諸々の手続きのなかで、どのような書類をどのタイミングでどこに提出したらいいかなどは普段から携わっている分、裁判所書記官の方が裁判官よりもむしろ明るいとも言えます。
裁判官の下働きみたいな立場ですが、下働きだからこそわかることもあるとも言えるのです。
当職は大学卒業後、裁判所に勤めはじめました。まずは、裁判所事務官として、いろいろな下働きをしました。裁判所の電話番や郵便物の取り扱い、給料日は裁判官などの給料分の現金を銀行に行って受け取り給料袋への詰め込むこと(当時は現金払いでした)裁判官のお昼ご飯の手配、トイレ掃除、エアコンのフィルター掃除などなどいろいろしました。そして、裁判所書記官研修所の入所試験に合格し、研修所で1年間書記官としての研修を受け、家事・少年・民事・刑事とさまざまな実務についていろいろな裁判官とも接してきました。
その後、司法試験に合格し、弁護士として働くようになりましたが、裁判所時代の経験はいまでも生かせていると自負できますし、また、みなさんのお手伝いに役立てようと心がけています。