DV被害の相談を男性弁護士に頼むメリット
DV法施工後よりDV被害を受けた方のお手伝いをしており、裁判所越谷支部にて申し立て第一号の弁護士です
夫からDVを受けています。そうした相談する相手の弁護士は、女性弁護士と男性弁護士で違いがありますか?
弁護士として、法律相談を受けたり、法律的な援助をする際の法的観点からアドバイスや法的手続きの選択については、その弁護士が女性だろうが、男性だろうが、変わりはないと思います。法律に関する答えや手続きが変わることはないからです。
とはいうものの、やはり、同じ女性の方が話しやすい、女性の気持ちがわかってもらえるのでは、という考えをお持ちになる方もいらっしゃると思いますし、それも一つの考えだと思います。
では、男性弁護士は、話がしにくて、気持ちがわかってくれないか、というと、そうとも言い切れず、弁護士それぞれの個性や相談者との相性にもよるところが大きいとは思います。
当職は、男性ですので(いつか、相談者に「男の人に前にいると夫を思い出してドキドキしてしまうんです。」と言われたとき、「あの、私も男ですが?」と言ったら、「やだ、先生は別です。」と笑われたことがありました。弁護士という職業としてだと性別を意識しなくなるのか、当職が中性的なのかはわかりませんが)、男性弁護士として、DV被害の相談やお手伝いをした経験からの男性弁護士に頼むちょっとしたメリットのお話しをしようと思います。
DVという現象が起きる根本的な背景には、男尊女卑という発想があると思われます。すなわち、「男はえらい、女はいやしい、だから、男が女を従えさせるのは当たり前だ。」みたいな考えを持っているため、DVになるようなことをしても「俺は悪くない、あいつが悪い」と平気で言うようなDV夫がよく見受けられます。そうした発想自体が誤りなのですが、DV被害に対して、きちんとこれを正す相手の心の中には男尊女卑の発想が根付いていることがよくあるのです。
そうすると、そうしたDV夫は、たとえ弁護士であっても、その弁護士が女性だと、女性であるだけで軽んじた態度をとったりすることもあると、ある人から聞いたことがあります。だからといって、法的な手続きが進まないことはないので、気にすることでもないのですが。
その点、当職のような男性弁護士だと、「先生も男だから、わかるだろうけどよ…」みたいな感じで、話し合いが少しだけスムーズにいったりすることもあるようなことを当職も経験したことがあります。
なので、DV被害について、女性弁護士にお願いすることのメリットもたくさんあるでしょうが、男性弁護士に相談や法律援助をしてもらうことにも、上記のようなちょっとしたメリットもあることも気にとめておいてみてください。